VPとVUの違いを一言でいうと、同じ呼び径でも管の肉厚が違い、想定される使い方と組み合わせる継手が異なることです。VPは厚肉、VUはVPより薄肉です。ただし、『太そうだからVP』『軽いからVU』という見た目だけの判断はできません。
設備配管では、系統、圧力の有無、設置場所、図面、採用製品の承認資料を順に確認します。この記事では、現場で取り違えないための見方を整理します。
🔵
VP。
厚肉。建物の排水・通気にも使われる。
🟢
VU。
VPより薄肉。無圧の排水用途で使われる。
VP管とVU管の違いを比較
| 見る項目 | VP | VU |
|---|---|---|
| 管の厚み | 厚肉 | VPより薄肉 |
| 建物排水での例 | 雑排水、汚水、雨水、通気 | 戸建住宅などの無圧排水 |
| 排水用継手 | DV継手 | VUDV継手 |
| 選定時の注意 | 呼び径や外観だけで決めず、図面と採用品を照合する | |
積水化学工業の公式製品案内では、排水・通気用VPを厚肉管、VUをVPより薄肉の管材と説明しています。また、VUは一般の戸建住宅や簡易な排水設備などの無圧管路で使う製品として案内されています。積水化学工業のVP・VU製品案内で両者の位置づけを確認できます。
違い1:同じ呼び径でも肉厚と内径が違う
VPとVUは、同じ呼び径で比べても肉厚が同じではありません。VUはVPより薄肉であるため、外径が同じ呼び径でも内径に差が生じます。積水化学工業も、VPとVUは呼び径が同じでも内径が異なると注意を示しています。
この違いは、材料拾い、開口寸法、支持金物、継手の手配に影響します。『呼び径が合っているから接続できるだろう』と進めず、管種まで含めて確認してください。現場に両方が搬入される場合は、保管場所を分け、管種が見える向きに置くと取り違えを防ぎやすくなります。
違い2:主な用途が違う
クボタケミックスの公式案内では、排水・通気用のVPは集合住宅の排水・通気配管で広く使われ、VUは呼び径や施設によって低層住宅の排水系統や埋設配管などに使われると説明されています。VUはVPより肉厚が薄い設計です。クボタケミックスの塩ビパイプ案内に用途と組合せが掲載されています。
ただし、建物の種類だけで管種を決めるのは危険です。同じ建物の中でも、立て管、横枝管、屋外埋設、雨水、通気などで採用管が分かれることがあります。『住宅だからVU』『マンションだからVP』と短絡せず、系統ごとの指定を見ます。
違い3:排水継手の組合せが違う
排水・通気で使う場合、VP管にはDV継手、VU管にはVUDV継手を組み合わせるのがメーカーの案内です。クボタケミックスは、DV継手をVP管の肉厚に、VUDV継手をVU管の肉厚に合わせた製品として説明しています。排水・通気用接着継手の公式案内も確認してください。
管だけでなく継手まで見る理由は、内面の段差と接続状態に関わるからです。前澤化成工業も、VU管にはVU継手、VP管にはDV継手を使用し、管厚の違いによる内面段差が生じない組合せを案内しています。図面に管種しか書かれていない場合でも、継手の品番と承認資料まで照合すると手配ミスを減らせます。
VPなら圧力配管に使える、とは限らない
『VPは厚いから、すべての圧力配管に使える』という覚え方は避けてください。クボタケミックスの案内では、排水・通気用のVPとDV継手の組合せは無圧用途です。一方、水道用途では水道用として案内された管と対応継手を選ぶ必要があります。
同じVPという呼び方が見えても、製品の用途区分と組み合わせる継手を確認しなければ施工判断はできません。圧力がかかる系統では、設計図、機器条件、採用メーカーの製品資料を確認し、排水用継手を流用しないことが重要です。
現場で迷わない確認の順番
- 系統を確認する。 給水、排水、通気、雨水、ドレンなど、何を流す配管かを見る。
- 圧力の有無を確認する。 ポンプ圧送や水圧がかかる可能性を図面と機器条件から確認する。
- 設置場所を確認する。 露出、隠ぺい、屋外埋設、立て管、横引きなどを区別する。
- 管種記号を確認する。 VP、VUだけでなく、水道用や耐熱用などの指定を読む。
- 継手と接着剤を確認する。 管に合う継手、用途に合う接着剤が採用されているかを見る。
- 最新の承認資料と照合する。 品番、呼び径、寸法、使用範囲を採用品で確認する。
一つでも曖昧なら、加工前に監督者や施工管理者へ確認します。切断後に管種違いが分かると材料ロスだけでなく、工程の手戻りにつながります。
よくある取り違えと防止策
管の印字を見ず、色と太さだけで選ぶ
保管中の汚れや照明で外観は当てにならないことがあります。管表面の表示、梱包、納品書、承認資料を突き合わせます。端材は管種表示が残らないことがあるため、再利用するなら識別できる状態で分けて保管します。
VPとVUで同じ継手を使う
呼び径が同じでも、排水用継手は管の肉厚に合わせて選びます。材料を小分けするときは、管と継手を同じ区画にまとめ、箱から出した継手にも識別を残します。
図面の記号だけで決める
設計図の記号は出発点ですが、現場変更や承認品の決定を反映していない場合があります。最新版の施工図、質疑回答、承認資料を照合し、変更があれば関係者へ共有します。
VP・VUを選ぶときの結論
VPとVUの違いは、単なる厚みや価格差ではありません。肉厚、内径、用途、継手の組合せが異なるため、系統全体として選びます。特に覚えておきたいのは、VPにはDV継手、VUにはVUDV継手という排水用途での基本的な組合せです。
最終判断は、図面、採用製品の承認資料、メーカーの最新情報をそろえて行ってください。名称だけで判断せず、『何を流し、圧力があるか、どこに設置し、何と接続するか』を順番に確認すれば、取り違えを防ぎやすくなります。
参考資料
- [SRC1] 積水化学工業株式会社「エスロンパイプ[硬質ポリ塩化ビニル管]」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [SRC2] 株式会社クボタケミックス「塩ビパイプ」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [SRC3] 株式会社クボタケミックス「排水・通気用接着継手(DV継手・VUDV継手)」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [SRC4] 前澤化成工業株式会社「ビニマスの設計」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)









