DV継手とTS継手の違いは、主に想定する用途と受口のつくりにあります。DV継手はVP管を無圧の排水・通気へ使う場合、TS継手は主にVP管を圧送用途の水道・給水へ使う場合の継手としてメーカーが案内しています。
どちらも塩ビ製で似た形の品種があるため、色や見た目だけで選ぶのは禁物です。系統、圧力の有無、管種、継手の表示、接着剤の適合を順に確認します。
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DV継手。
VP管を排水・通気の無圧用途で使う組合せ。
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TS継手。
主にVP管を水道・給水の圧送用途で使う組合せ。
DV継手とTS継手の違いを比較
| 比較項目 | DV継手 | TS継手 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 排水・通気 | 水道・給水 |
| 圧力 | 無圧用途 | 圧送用途 |
| 主な組合せ例 | VP管 | VP管 |
| 受口 | TSより短く、テーパが緩い | 接着剤で管を挿入して接続する圧力用の構造 |
クボタケミックスの公式FAQは、TS継手を主にVP管の圧送用途、水道・給水用、DV継手を主にVP管の無圧用途、排水・通気用と説明しています。TS継手とDV継手の違いに関する公式回答を確認できます。
DV継手は排水・通気の無圧用途
DVはDrain・Vent、つまり排水・通気を表す名称です。クボタケミックスは、DV継手を内圧がかからない箇所での使用を想定し、TS受口より受口深さが短く、テーパが緩い構造と説明しています。排水・通気用接着継手の製品案内にも用途と構造が掲載されています。
排水管は自然流下で使うことが多く、管内の段差を抑え、流れを妨げない組合せが重要です。VP管へ使うDV継手はVP管の肉厚に合わせた製品です。VU管へは別のVUDV継手を使うため、DVとVUDVも区別します。
TS継手は主に水道・給水の圧送用途
TS継手は、メーカー公式FAQで主にVP管を水道・給水などの圧送用途に使う継手として案内されています。TS接合は、管と継手の受口に接着剤を塗り、管を挿入して保持する方法です。
ただし、『TSならどの圧力配管にも使える』わけではありません。流体、使用温度、使用圧力、管・継手・接着剤の適合は、採用メーカーの最新資料と設計図書で確認します。薬液、給湯、特殊流体などを一般の給水と同じ扱いにしないでください。
受口の違いが施工へ与える影響
DV受口は、無圧の排水・通気用途を想定した構造です。TS受口と比べて受口深さとテーパが異なります。そのため、同じ呼び径に見えても、差込位置や接着作業を別の継手と同じ感覚で扱えません。
接合前には、管端を直角に切り、ばりや汚れを除き、管と継手の対象面を確認します。差込み、保持、養生の方法は、使用する接着剤と継手の施工資料に従います。経験で時間を決め打ちせず、気温、呼び径、製品の条件を確認してください。
現場で起こりやすい取り違え
エルボの形だけを見て選ぶ
DVにもTSにもエルボやチーズがあり、遠目では判別しにくいことがあります。箱の品名、継手本体の表示、承認図、納品書を合わせて確認します。箱から小分けした後も、管種と用途が分かる表示を残します。
VP管だから同じ継手でよいと思う
VP管は排水・通気にも水道用途にも登場しますが、組み合わせる継手は系統で異なります。管の記号だけで継手を選ばず、何を流す系統か、圧力があるかを先に確認します。
排水継手を圧力配管へ流用する
クボタケミックスは、DV継手とVUDV継手について、給水・給湯など圧力が加わる配管には使用できないと明記しています。排水用継手が接着できそうに見えても、圧力用途へ流用してはいけません。
接着剤を色だけで判断する
接着剤は、対象となる管・継手、用途、呼び径を製品資料で確認します。同じメーカーでも複数の接着剤があり、色だけで対象用途を判断できない場合があります。使用期限、容器の状態、塗布工具も施工前に確認します。
施工前に確認する順番
- 系統を読む。 給水、排水、通気、雨水、ドレンなどを区別する。
- 圧力条件を見る。 ポンプ圧送や機器接続を含め、圧力がかかるか確認する。
- 管種を確認する。 VP、VU、水道用、耐熱用などの指定を読む。
- 継手の品名を見る。 DV、VUDV、TSを箱と本体表示で確認する。
- 接着剤の適合を見る。 対象管、用途、施工方法を採用製品の資料で確認する。
- 承認品と照合する。 現場に入った品番が承認済み材料と一致するか確認する。
この順番なら、『手元の継手が入りそうだから使う』という誤った判断を避けられます。分からないときは加工や接着を始める前に施工管理者へ確認します。
DV・TS・VUDVを整理する
- DV継手:VP管を排水・通気の無圧用途で使う継手。
- TS継手:主にVP管を水道・給水の圧送用途で使う継手。
- VUDV継手:VU管を排水の無圧用途で使う継手。
クボタケミックスは、DV継手をVP管の肉厚に、VUDV継手をVU管の肉厚に合わせた製品として案内しています。排水でもVPとVUを混在させる場合は、管種の切替え位置と変換部材を施工図で明確にします。
最終チェックリスト
- 系統名と圧力の有無を確認したか。
- VP、VUなど管種を確認したか。
- DV、TS、VUDVの表示を本体と箱で確認したか。
- 承認されたメーカーと品番に一致するか。
- 接着剤が管・継手・用途に適合するか。
- 施工資料に従った端部処理、塗布、差込み、保持ができるか。
- 異なる用途の材料を同じ箱や台車で混在させていないか。
DV継手とTS継手の違いは、名称を暗記するより、流体と圧力から理解すると迷いません。排水・通気の無圧用途ならDV、主に水道・給水の圧送用途ならTSという入口から、管種、継手、接着剤、承認品まで確認してください。
参考資料
- [SRC1] 株式会社クボタケミックス「Q. TS継手とDV継手の違いを教えてください。」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [SRC2] 株式会社クボタケミックス「排水・通気用接着継手(DV継手・VUDV継手)」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)









