ACドレンの支持でたるみを防ぐための現場チェック

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ACドレンのたるみは、単に吊りバンドの数が少ないときだけ起こるわけではありません。支持位置の偏り、継手周辺の荷重、吊りボルトの調整不足、他設備との接触、施工中の仮置きなどが重なると、途中に水が残る形になりやすくなります。

対策の基本は、採用したACドレン管のメーカー資料で支持条件を確認し、両端の高さを決め、途中を許容間隔内で割り付け、完成後に管底を連続して確認することです。この記事では、たるみを見逃さない現場チェックを順に整理します。

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支持間隔だけでは不十分。

端部高さ、継手、曲部、吊り長さ、他設備との接触まで見て、管底に局所的な下がりがないか確認します。

ACドレンで「たるみ」が問題になる理由

自然流下させるドレン管は、上流から下流へ連続した勾配が必要です。途中が下がって再び上がると、その部分に水が残ります。流れが悪くなるだけでなく、汚れが滞留し、清掃時の確認箇所も増えます。

目視で管の上端だけを見ると、外径や継手形状の影響で勾配を誤認することがあります。基準にする高さを管芯か管底か統一し、レーザーやレベルを使って複数点を測ります。

採用製品のメーカー施工条件を先に確認

ACドレン管は製品ごとに構造と施工条件があるため、一般の塩ビ管と同じ感覚で支持位置を決めません。積水化学工業のエスロンACドレンパイプ・継手カタログでは、横走り配管は棒鋼吊り、つまり全ねじボルト吊りを基本とし、吊り支持間隔を1m以下としています。エスロンACドレンパイプ・継手カタログで現行の施工条件を確認できます。

同カタログは、ACドレンパイプの支持を同じ呼び径の塩ビ管VPと同じ間隔で設けることも案内しています。ただし、この記事の1m以下という数値はエスロン製品の横引き施工条件です。他社製品や工事固有の特記へ一律に当てはめず、採用品の最新版を優先してください。

支持位置を決める順番

1.上流と下流の高さを確定する

まず空調機のドレン出口、ドレンアップ配管の終端、合流先、立て管接続など、動かしにくい点の高さを確認します。その間で必要な勾配が成立するかを計算し、梁下、天井、他設備との納まりを断面で見ます。

両端を決めず途中から吊り始めると、下流側で高さが足りなくなり、勾配を戻すために局所的な持ち上げが生じます。施工前に始点と終点を押さえることが、たるみ防止の第一歩です。

2.継手・曲部・合流部を先に配置する

エルボ、チーズ、異径、アダプター、トラップ周辺は、直管部より外形と重量の条件が変わります。継手の真上でバンドが掛からない、接着や点検の工具が入らない位置を避け、その前後で管を安定させられるか確認します。

フレキシブルホースとの接続では、ホースの重さや向きが管を引き下げないようにします。機器側の振動や動きを硬い管へ無理に伝えない納まりを、機器と管材双方の資料で確認します。

3.残った直管部を許容間隔内で割り付ける

固定位置と避ける位置を決めた後、残りの直管部をメーカーが示す間隔以内で割り付けます。最後の一区間だけ長くならないよう、端から順に置くのではなく全長を見て均等に配分します。

吊り位置が梁や点検口と重なった場合、一本だけ大きく移動するのではなく、前後の支持も再配置します。変更後もすべての区間が許容間隔内かを確認します。

たるみを生みやすい5つの施工状態

吊りボルトが斜めになっている

インサート位置と管芯がずれると、吊りボルトやタンバックルが斜めになり、バンドが管を横へ引くことがあります。管芯に対して支持が素直に下りる位置へ調整し、横引き力がかからないか確認します。

ナットの調整代が足りない

吊りボルトを短く切りすぎる、タンバックルを最初から詰めすぎると、勾配を微調整できません。上げ下げできる余裕を残して仮締めし、管路全体を見た後で本締めします。

継手の重さを直管だけで受けている

合流継手やトラップの近くに支持がないと、その部分だけ下がることがあります。継手本体へ不用意にバンドを掛けず、採用品の外形と支持可能位置を確認して前後を支えます。

他設備や天井下地に押されている

ダクト、電線管、天井下地、保温材が接触すると、支持を調整しても管が局所的に押し下げられます。完成時だけでなく、後から施工される設備と保温の厚みを含めて離隔を確保します。

接着前の仮置き形状が残る

長尺の管を床や架台へ仮置きした状態で癖がつくと、吊った後も曲がりが残ることがあります。保管と運搬はメーカーの注意に従い、傷、へこみ、偏平がある部分は使用しません。積水化学工業のカタログも、傷、へこみ、偏平がある箇所を切断・除去するよう案内しています。

施工中の確認方法

  1. 基準となる管底高さを施工図へ記入する。
  2. 上流と下流の固定点を先に仮合わせする。
  3. 支持金物を仮締めし、調整代を残す。
  4. 直管だけでなく継手を含む管底を複数点で測る。
  5. 管を軽く揺らし、局所的に荷重が集中していないか見る。
  6. 他設備、保温、点検口との干渉を確認する。
  7. 接着と養生が終わった後、再度高さを測る。
  8. 通水前に支持の緩みと管端の養生残りを確認する。

水を流して抜けたから合格とせず、測定値と目視の両方で管路を確認します。流量が少ないと局所的な滞水を見落とす場合があるためです。

支持と結露を別々に考えない

ACドレン管は結露対策を意図した製品ですが、すべての条件で保温不要とは限りません。積水化学工業は、ドレンアップ部のように管内が満水になる部分は結露する可能性があり、別途保温するよう案内しています。ACドレンパイプの結露に関する公式FAQも確認してください。

保温を追加すると外径と重量が変わり、支持金物や他設備との離隔へ影響します。支持位置を決めた後に保温条件が変わった場合は、バンドの納まりと荷重を再確認します。

完了前チェックリスト

  • 採用メーカーの最新版カタログで支持条件を確認したか。
  • 上流から下流へ管底高さが連続して下がっているか。
  • すべての支持区間が許容間隔内か。
  • 継手、曲部、合流、トラップの周辺が下がっていないか。
  • 吊りボルトが斜めになり、管を横へ引いていないか。
  • ナットを本締めし、緩みがないか。
  • 後施工の保温、天井下地、他設備と接触しないか。
  • ドレンアップ等の満水部で必要な保温を確認したか。
  • 傷、へこみ、偏平のある管を残していないか。

ACドレンのたるみ防止は、支持間隔を守ることに加え、管路全体の高さと局部荷重を見る作業です。メーカー資料の条件を起点に、両端、継手周辺、直管部の順に割り付け、接着後と他設備施工後にも再確認してください。

参考資料

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