全圧・静圧・動圧の違いは?関係式を図で理解する

円管内の流れを題材に全圧・静圧・動圧を学習する学生のイメージ

結論:この記事で扱う非圧縮性流体の関係では、全圧は静圧と動圧の和として、Pt=Ps+ρv²/2と表します。動圧は、流速に対応する圧力相当量です。密度が同じ流体を比べると、動圧は流速の二乗に比例します(国土交通省「排水ポンプ技術の現状について」)。

この記事で分かること

  • 全圧・静圧・動圧の違い
  • Pt=Ps+ρv²/2の読み方
  • 単位の確かめ方と、式を使う範囲
  • 実在する過去問の出題論点
全圧が静圧と動圧の和になる関係を示した学習図
全圧を構成する要素と、密度が同じ場合の流速と動圧の関係を整理した図です。

全圧・静圧・動圧を図のように整理しよう

国土交通省の資料では、速度V、圧力pの流れをせき止めた「よどみ点」に生じる圧力を全圧ptとし、pt=p+ρV²/2と示しています。JCTCの記号へ合わせると、次の関係になります(国土交通省資料)。

覚える関係式

Pt=Ps+ρv²/2

言葉では「全圧=静圧+動圧」です。

  • 静圧Ps:式中の圧力pに当たる成分
  • 動圧ρv²/2:流速に対応する圧力相当量
  • 全圧Pt:静圧と動圧を合わせた圧力

動圧は、静止した流体中で全方向に作用する独立した静的圧力ではありません。ρv²/2という速度に対応する量として捉えます(国土交通省資料)。

記号とSI単位を確認する

令和7年度の試験問題では、Ptを全圧、Psを静圧、ρを流体の密度、vを流速とし、それぞれの単位をPa、Pa、kg/m³、m/sとしています(JCTC公式試験問題・令和7年度第一次検定(後期)No.2)。

SI資料では、密度はkg m−3、速度はm s−1、圧力はPa=kg m−1 s−2と示されています。この定義から、ρv²の単位はkg m−3×m² s−2=kg m−1 s−2となり、Paと一致します。これは各単位から行う次元計算です(産業技術総合研究所「国際単位系(SI)」)。

流速と動圧の関係

密度ρが同じ流体を比べる場合、動圧ρv²/2は流速vの二乗に比例します。そのため、この条件内では流速が大きい側ほど動圧も大きくなります。密度が変わる条件では、流速だけを見て判断できません(国土交通省資料)。

問題を解くときの順番

  1. 式を「全圧=静圧+動圧」と読む
  2. ρv²/2が動圧だと対応させる
  3. 密度が同じかを確認する
  4. 同一点の構成関係と、二点間の保存条件を分ける
全圧の関係式を言葉、SI単位、適用条件の順に確認する学習手順
式を言葉で読み、単位と適用条件を順番に確かめるための学習手順です。

過去問で問われた論点

令和7年度2級管工事施工管理技術検定「第一次検定(後期)」No.2では、水平な円管の直管部を流れる流体について、全圧・静圧・動圧の関係が扱われました。問題文や選択肢は転載せず、論点のみを紹介しています(JCTC公式試験問題・No.2)。

JCTCの公式正答表では、No.2の正答は肢3です。式の内容は、国土交通省資料に示されたpt=p+ρV²/2と照合できます(JCTC公式正答表国土交通省資料)。

自作の確認問題

密度が同じ流体AとBを比べたところ、Bの流速がAより大きい場合、動圧が大きいのはどちらでしょうか。

答えはBです。密度が同じなら、v²が大きい側ほどρv²/2も大きくなります。ただし、この比較だけから「流速が上がれば静圧は必ず下がる」とは判断できません(国土交通省資料)。

同一点の関係と二点間の保存を混同しない

Pt=Ps+ρv²/2だけで、配管内の二点間にあるすべての変化を説明することはできません。

水の流れのエネルギーには、運動エネルギーと圧力エネルギーに加えて位置エネルギーがあります。また、異なる断面で全水頭が一定になるという説明には、粘性による摩擦などのエネルギー損失がない完全流体という仮定が必要です(国土交通省四国地方整備局「流れを計算する手法」)。

水平という条件だけで、実在する直管の摩擦損失がなくなるとはいえません。高低差や損失を含む二点間の問題では、位置や損失の条件も確認します。実務へ当てはめる場合は、設計図書および使用製品の最新施工要領書で確認してください(国土交通省四国地方整備局資料)。

また、ここで示した全圧の式は、密度を一定とする非圧縮性流体の文脈で確認したものです。圧縮性を無視できない流れへ、そのまま一般化しないでください(国土交通省資料)。

よくある質問

Q1. 最初に覚える式はどれですか?

Pt=Ps+ρv²/2です。「全圧=静圧+動圧」と言葉で読み、ρv²/2が動圧だと対応させましょう(国土交通省資料)。

Q2. 流速が上がると静圧は必ず下がりますか?

必ずとはいえません。全圧、位置、密度、損失などの条件をそろえずに、流速だけから静圧の変化を断定しないでください(国土交通省資料国土交通省四国地方整備局資料)。

Q3. 水平な直管なら全圧は必ず一定ですか?

水平という条件だけでは断定できません。二点間の保存を考えるときは、摩擦などによるエネルギー損失の有無を確認します(国土交通省四国地方整備局資料)。

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