EF融着後の水圧試験は、配管へ圧力を掛ければ終わる検査ではありません。最後の融着部が十分に冷却・放置されているか、挿入状態や融着記録に異常がないか、管内空気を排出できたかを確認してから始めます。
水圧試験の流れは、融着完了確認、冷却・放置、試験範囲確認、充水・空気抜き、安定化、加圧・保持、目視、記録です。試験条件は管の製品系列、呼び径、用途、設計図書で異なるため、採用品の最新版施工マニュアルを基準にします。
🔥
融着。
完了表示と記録。⏳
冷却。
指定時間を確保。🫧
充水。
空気を排出。📈
判定。
圧力と目視を記録。
水圧試験前にEF接合を完了させる。
通電終了と接合完了は同じではありません。コントローラーの正常終了、エラーの有無、継手のインジケーター、挿入標線、管と継手の芯、融着番号を確認し、指定された自然冷却が終わるまで接合部を動かしません。
クボタケミックスの建築設備用ポリエチレンパイプ施工マニュアルは、水圧試験を最後のEF接合が終了し、クランプを外せる状態になってから、呼び径と試験方法に応じた放置時間を経て行うよう示しています。
確認1:最後の融着時刻と放置時間。
試験区間で最後に融着した接合部を特定し、通電完了時刻、冷却完了時刻、水圧試験開始可能時刻を記録します。途中で追加融着や手直しがあった場合は、その箇所を基準に時間を取り直します。
必要な放置時間は、同じメーカーでも管の用途、呼び径、試験方法で異なります。「前の現場と同じ」と判断せず、対象製品の表で確認します。
確認2:融着記録と外観。
コントローラーの履歴、継手バーコード、融着番号、施工者、日時、通電結果を照合します。インジケーターの隆起だけで合格とせず、完了表示とエラー履歴を合わせて確認します。
挿入標線が受口端に対して周方向でそろっているか、斜め挿入や抜け方向の移動がないかを見ます。クボタケミックスの施工起因事故防止資料は、EF接合部の挿入不足・斜め挿入や、泥・油などの異物付着による漏水事例を挙げています。
確認3:試験範囲と部材の耐圧条件。
試験区間を系統図へ表示し、弁、フランジ、機器、仮設キャップ、試験治具を含む範囲を確認します。試験圧力が区間内の部材や機器の許容条件を超えないよう、設計図書と各製品資料を照合します。
融着部だけを試験するつもりでも、圧力は閉止点までの全ての部材へ掛かります。試験対象外の機器は正規の方法で切り離し、仮設部材の固定状態も確認します。
確認4:試験器具と圧力計。
試験ポンプ、ホース、バルブ、圧力計、治具に損傷や漏れがないか確認します。圧力計は試験範囲を読み取りやすい目盛で、校正・点検の扱いが現場の品質計画に合うものを使用します。
仮設治具の接続部からにじむと、配管本体の漏れと区別しにくくなります。加圧前に治具の挿入・締結・閉止を確認し、加圧中は増し締めしません。
確認5:充水と空気抜き。
クボタケミックスの水道配水用ポリエチレン管技術資料は、水中に空気が混入すると水圧低下の原因になると説明しています。高所、立ち上がり頂部、閉止末端から空気が抜ける経路を確保します。
低い側から急激に充水せず、空気が出なくなるまで採用品の手順に沿って排出します。空気が残ると圧力変化が大きくなり、漏れの判定を難しくします。
確認6:ポリエチレン管の膨張を考慮する。
同技術資料は、ポリエチレン管が水圧で初期膨張し、漏水がない場合でも初期水圧値が低下することがあると説明しています。低下量は埋設条件、管径、管路長、初期水圧値などに左右され、一つの値で一般化できません。
そのため、圧力低下だけで直ちにEF融着不良と決めません。一方で、材料特性を理由に漏れを見逃さず、製品指定の予備加圧、安定化、保持、判定と接合部の目視を組み合わせます。
記録する値。
最後の融着時刻。試験開始時刻。試験区間。水温・周囲温度。開始圧力。経過圧力。目視結果。試験後の処置。
確認7:加圧中の見回り。
加圧は採用品の施工マニュアルに従って段階的に行い、急激な操作を避けます。EF継手、フランジ、メカニカル継手、仮設治具、弁、端末を順に目視し、にじみ、滴下、膨らみ、移動がないか確認します。
異常を見つけた場合は追い加圧せず、試験を中止して安全な手順で減圧します。圧力が残る状態で継手や治具へ触れたり、締め直したりしません。
圧力が下がったときの切り分け。
- 試験ポンプ、ホース、圧力計、仮設治具を確認する。
- 管内空気が残る高所・末端を確認する。
- 製品指定の安定化手順を実施したか確認する。
- 区間を分け、圧力変化する範囲を狭める。
- EF接合部の履歴、標線、外観、漏れを照合する。
- 異常箇所を製品指定の方法で処置し、再試験する。
通電途中停止やインジケーター異常がある接合部を、現場判断で再通電しません。対象継手とコントローラーの取扱説明書に従い、処置方法をメーカーへ確認します。
⚠️ 試験を始めない状態。
- 最後の融着時刻が分からない。
- クランプを外せる冷却状態に達していない。
- 必要な放置時間を製品資料で確認していない。
- 融着エラーや挿入標線の異常が未処理。
- 管内の空気を抜ける経路がない。
- 試験範囲と閉止点が図面で確認できない。
EF融着後の水圧試験まとめ。
EF融着後の水圧試験は、融着完了、冷却・放置、履歴・外観、試験範囲、空気抜き、材料特性、加圧・目視の順に確認します。試験圧力や保持時間だけでなく、試験開始までの工程が判定の信頼性を左右します。
採用品ごとに放置時間と試験方法が異なるため、設計図書と最新版施工マニュアルを優先します。記録は接合番号と試験区間を対応させ、異常時に同じ条件で切り分けられるよう残してください。
参考資料
- [S1] 株式会社クボタケミックス「建築設備用ポリエチレンパイプ 施工マニュアル」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [S2] 株式会社クボタケミックス「水道配水用ポリエチレン管 技術資料」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)
- [S3] 株式会社クボタケミックス「施工起因事故の現象と防止対策集」 (メーカー一次情報・確認日 2026-08-14)










