排水縦管の支持位置はどう決める?現場で見る順番

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排水縦管の支持位置は、「各階にバンドを付ければよい」と決めるものではありません。管の重量を受ける固定点、横揺れを抑える振れ止め、接合部や集合管を安定させる支持、熱伸縮を妨げない箇所を分けて考えます。

現場で見る順番は、管種とシステム、荷重の流れ、固定点、振れ止め、重量部、伸縮、取付下地です。支持間隔の数値だけを先に当てはめると、受口や点検部と干渉したり、管へ無理な力を加えたりするため注意が必要です。

⚖️
荷重。
どこで受けるか。🧱
固定。
動かさない点。↔️
振れ止め。
横揺れを抑える。↕️
伸縮。
動きを妨げない。

固定と振れ止めを分けて考える。

固定は管の軸方向・横方向の動きを拘束し、重量や反力を構造体へ伝える位置です。振れ止め支持は、縦管が横方向へ揺れたり、接合部へ偏った力が掛かったりするのを抑える役割があります。

すべての支持を強く締めて固定にすると、温度変化や接合部の伸縮を妨げる場合があります。反対に振れ止めだけで重量を受けようとすると、支持金具や床貫通部へ想定外の荷重が掛かります。

順番1:管種と接合システムを確定する。

最初に、鋼管、塩ビ管、耐火二層管、ポリエチレン管などの管種と、ゴム輪、接着、メカニカル、可とう継手などの接合方式を確認します。排水集合管を使う場合は、集合管、立て管、脚部継手、床上支持金具を一つのシステムとして見ます。

管種と製品が変われば、固定方法、締付け方、伸縮処理、支持金具も変わります。設計図書、承認図、採用品の最新版施工要領をそろえてから位置を決めます。

順番2:立て管の荷重が流れる先を決める。

縦管には、管材、継手、集合管、被覆材、内部の水などの重量が掛かります。どの床や架台で重量を受けるのかを決め、支持金具からアンカー、床・梁まで荷重の流れを確認します。

国土交通省の公共建築工事標準仕様書は、屋内配管の支持施工を標準図の「立て管の床固定要領」などによるとしています。公共工事の適用条件を確認しつつ、民間工事では設計図書と構造条件を優先します。

順番3:固定点を施工図へ明示する。

複数階にわたる立て管について、国土交通省の同仕様書は管種に応じた床固定と形鋼振れ止め支持を表で示しています。鋼管・ステンレス鋼管の床固定位置は、対象条件で最下階の床または最上階の床とされています。

ただし、管径、可とう継手、床貫通の状態などで扱いが変わるため、表の一部だけを切り取って使いません。固定点は階、床レベル、金具型式、アンカー、周辺接合部とともに施工図へ表示します。

順番4:各階の振れ止め位置を決める。

国土交通省の同仕様書では、複数階の立て管のうち、塩ビ管、耐火二層管、ポリエチレン管の形鋼振れ止め支持は各階1箇所とされています。鋼管やステンレス鋼管も原則は各階1箇所ですが、床貫通で振れが防止される場合などの例外条件があります。

各階1箇所という数だけでなく、床上か床下か、受口・伸縮継手・集合管との位置関係、バンドを締められる作業空間を確認します。床開口が大きく、貫通部だけでは横振れを抑えられない場合は、別の支持方法を検討します。

施工図に書く情報。
固定か振れ止めか。階と高さ。金具型式。アンカー位置。管との接触材。集合管・受口・点検部との離れ。

順番5:重量物と接合部の直近を確認する。

排水集合管、掃除口、満水試験用部材、横枝の集中部などは、直管部より重量や偏心が大きくなる場合があります。製品メーカーが専用支持金具や支持位置を示している場合は、その施工手順を優先します。

支持金具が受口、ボルト、押し輪、点検蓋を塞がないことも確認します。建込み直後だけでなく、試験、被覆、将来の点検時に工具が入る配置にします。

順番6:伸縮を妨げないか確認する。

塩ビ管や耐火二層管で伸縮継手を使う場合は、固定点、伸縮継手、ガイドとなる支持の関係を確認します。国土交通省の同仕様書は、耐火二層管の伸縮継手直下で床貫通の振れ止め支持がある場合、伸縮継手の形鋼振れ止め支持と共用できる条件を示しています。

共用できるという記載を、すべての製品へ一律に適用してはいけません。採用品の挿入位置、伸縮代、支持方法をメーカー資料と承認図で照合します。

順番7:支持金物を取り付ける下地を確認する。

支持位置に梁、スラブ、壁など十分な取付下地があるかを構造図と現地で確認します。アンカーが床開口、鉄筋、埋設配管、電気配管と干渉する場合は、位置や架台形状を施工前に調整します。

インサートやアンカーは、支持荷重と母材に合う仕様を選びます。既存の別配管や軽量下地から排水縦管の支持を取らず、設計された支持経路を確保します。

順番8:施工後に鉛直と接触状態を見る。

支持を締める前後で縦管の鉛直、管芯、集合管の水平、枝方向を測定します。バンドの片締め、管の押しつぶれ、被覆材の傷、異種金属の直接接触、受口への偏りがないか目視します。

上階の建込みで下階の標線や支持位置が動いていないかも確認します。階ごとに全景、支持金具、挿入標線、集合管の姿勢を写真へ残します。

⚠️ 支持位置を見直すサイン。

  • 固定点と振れ止めの区別が施工図にない。
  • 支持バンドが受口や点検部に掛かる。
  • 集合管の重量を立て管だけで受けている。
  • 床開口が大きく、貫通部で振れを止められない。
  • 伸縮継手の直近を強固に締めている。
  • アンカー位置が鉄筋や他設備と干渉する。

排水縦管の支持位置まとめ。

排水縦管の支持は、管種と製品を確定し、荷重の流れを決め、固定点、各階の振れ止め、重量部、伸縮部、取付下地の順に配置します。間隔表は重要ですが、接合部と伸縮の条件を合わせて初めて正しく使えます。

現場では、公共仕様の適用有無と設計図書を確認し、採用品の施工要領、承認図、構造条件を優先してください。不明な支持条件は施工前に設計・監理者と製品メーカーへ照会し、決定内容を施工図へ残します。

参考資料

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