マンションPS内の排水縦管を施工前に確認するポイント

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マンションPS内の排水縦管は、限られた空間に排水管、通気管、給水管、支持金物などを納める工事です。建込みを始めてから管芯や枝方向の違いが分かると、床貫通部、住戸内横枝管、天井高さまで手直しが広がります。

施工前確認では、図面の正誤だけを見るのではなく、各階で同じ管芯が通るか、採用した排水システムが指定どおり組めるか、検査と更新の空間が残るかを確認します。ここでは、マンションPSの排水縦管を建て込む前の確認順を整理します。

📚
図面照合。
意匠・構造・設備。🎯
管芯確認。
各階を実測。🔩
支持確認。
荷重と伸縮を処理。🔍
点検性確認。
試験と更新の空間。

最初に3種類の図面を重ねて確認する。

設備図だけでは、PSの壁厚、梁、床開口、点検口、仕上げ寸法を読み切れません。国土交通省の建築設備工事設計図書作成基準は、設備平面図の建築背景に柱・通り符号、寸法、室名、扉開閉方向、壁種別、ピットなどを表示する考え方を示しています。

施工前は、意匠図でPS内法と点検口、構造図で梁・床開口・鉄筋、設備図で管種・口径・管芯・枝方向を照合します。相違がある場合は、現場判断で開口や管芯を動かさず、施工図へ反映して承認を受けます。

確認1:PSの有効寸法と作業空間。

PS寸法は壁芯ではなく、仕上げ、ふかし、耐火被覆、下地を見込んだ有効内法で確認します。排水縦管本体が入っても、継手の組立、ボルト締付け、遮音材、防火区画貫通部の処理、検査に手が入らなければ施工できません。

点検口から見える範囲と手が届く範囲も確認します。将来の清掃、継手点検、部材交換を想定し、バルブや掃除口を壁の奥へ隠さないよう各設備の配置を調整します。

確認2:各階の管芯と床貫通部。

基準階の寸法だけで全階を決めず、床開口やスリーブ中心を階ごとに実測します。躯体誤差、PS壁位置、梁寄りの開口、最上階や最下階の断面変化により、同じ墨からの寸法でも実際の通りが変わる場合があります。

レーザーや下げ振りで上下階の芯を確認し、測定値を階別に記録します。芯ずれを吸収するために排水縦管を安易にオフセットすると、排水性能、支持、伸縮、PS内の干渉条件が変わるため、採用システムの技術資料と設計者の確認が必要です。

確認3:集合管の型式と枝方向。

排水集合管を使う場合は、型式、立て管径、枝数、枝方向、上階用・最下階用、脚部継手の組合せを承認図と照合します。クボタケミックスの排水集合管技術マニュアルは、同社システムの排水能力が同社集合管と専用脚部継手の組合せによることを示しています。

集合管をPSへ仮置きし、便器・雑排水枝管の方向、仕上げ床からの高さ、壁との離れ、支持金具の位置を確認します。枝方向が図面と合っていても、ナットやバンドを締める工具の振り幅が取れなければ、施工手順を完了できません。

確認4:挿入長さと伸縮の納まり。

立て管や集合管の受口には、製品ごとに挿入深さ、面取り、標線、清掃、締付け、クリアランスの指定があります。クボタケミックスの硬質ポリ塩化ビニル製排水集合管カタログは、対象製品について管端の内外面を面取りして異物を除去し、挿入深さを標線で管理する手順を示しています。

階高から管を切るときは、集合管の有効長だけでなく、受口の伸縮代や指定クリアランスを含めて切断長を計算します。数値は製品・接合部で異なるため、別型式の寸法を流用しません。

建込み前の仮確認。
管に切断位置、挿入標線、上下、系統名、階を表示し、集合管の枝方向と支持金具位置を床上で確認すると、PS内での取り違えを減らせます。

確認5:支持と立て管荷重。

排水縦管の支持は、管材、接合方式、集合管、階高、伸縮処理、最下部の納まりを含めて決めます。床貫通部へ荷重を預けるのか、専用支持金具を使うのか、最下部をどう固定するのかを施工図に明示します。

支持バンドは、管を押しつぶしたり、受口の伸縮を妨げたりしない位置へ設けます。メーカーが床上支持金具や専用支持部材を指定するシステムでは、その施工手順と組合せを守ります。

確認6:横枝管と他設備の干渉。

縦管が通っても、横枝管が梁、ダクト、給水管、電気配線、点検口下地に当たれば住戸内へ接続できません。便器排水は接続高さと向き、雑排水は勾配を含む必要空間を施工図で確認します。

PS内では、先に施工した配管が後工程の工具スペースを塞ぐことがあります。縦管、横枝管、給水、通気、遮音・保温、防火処理の施工順を関係者で決めます。

確認7:防火区画と遮音仕様。

PSの床や壁が防火区画に該当するか、貫通部にどの認定工法・材料を用いるかを設計図書で確認します。認定工法には適用する管種・呼び径・床や壁の構成・施工方法があるため、現場で別材料へ置き換えません。

遮音材や耐火被覆を巻く場合は、施工後の外径でPS内に納まるか確認します。被覆の継ぎ目、支持部、枝接続部、検査継手の処理も施工要領に沿って納めます。

確認8:試験と写真記録。

隠ぺい前に実施する試験の方法、区間、栓の位置、注水・排水方法を施工計画で決めます。試験継手や掃除口へ作業できること、漏れ確認の視界があることを、PSを閉じる前に確認します。

写真は、系統名、階、管種、集合管型式、枝方向、支持、挿入標線、貫通部処理が追えるように撮影します。完成後に見えなくなる箇所ほど、全景と近景を組み合わせて記録します。

⚠️ 着工前に止めるべき状態。

  • 意匠・構造・設備図でPS寸法や開口位置が一致しない。
  • 全階の床開口を実測していない。
  • 集合管の型式・枝方向・脚部継手が未確定。
  • 支持方法と伸縮処理が施工図にない。
  • 防火処理の適用工法が決まっていない。
  • 試験継手や点検口へ手が届かない。

施工前チェックのまとめ。

マンションPSの排水縦管は、図面照合、各階実測、製品照合、支持・伸縮、横枝干渉、防火・遮音、試験性の順に確認すると漏れを減らせます。実際の建込み手順は、関連するマンションPS内の排水立管の施工手順も参考にしてください。

最も大切なのは、入るかどうかだけでなく、指定どおり接合でき、検査でき、将来点検できるかまで施工前に確認することです。採用した排水システムの最新版カタログ・施工要領と承認図を現場へ用意し、相違点は施工前に解消します。

参考資料

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